鉄道ジャーナル12月号から
先日買った鉄道ジャーナル12月号ですが、地元の話題は桃花台新交通(ピーチライナー)くらいかな。最近はたびたびありますけど、読者投稿欄が1ページになってまっとるなぁ…。
気になった記事を書きとめておきました。
1:ピーチライナー
ピーチライナーは名古屋の北部郊外にある桃花台ニュータウンでの新交通システムですが、佐藤信之先生(亜細亜大学)の連載の中で今回取り上げられてます。
この先生のことは前回も書いたのですけど、今回も「調査結果は見がいがあるんだけど、提言がないよぉ~」という感じ。
ピーチライナーの問題に限らず、当事者(今回なら鉄道会社や市民団体)が何か言うと反対意見が多々出てきて収拾がつかなくなりがちなので、こういう当事者じゃない学者の物言いには期待しているのですけど、いつもながらちょっと残念な気持ちです。
財政的事情としては結構前から苦しいことが言われているピーチライナーですが、外部からお客さんを招き入れようと思えば、(広い意味での)鉄道系交通機関は重要な位置を占めていると思います。
ぼくは
鉄道好き
イベント好き
クルマ未所有
なので、廃止という言葉にナーバスなスタンスになりますけど、バスしか移動手段がないニュータウンだったら、イベントがあったりしても「遊びに行こうかな」となかなか思えないです。電車で行けないということはクルマという機動力がない身にとっては、出向くことに対してかなりの障壁になります。
もっとも「ここは単なるベッドタウンだから、外部から人を呼び込まず地元民で静かにやっていきたい」とか「愛知はクルマを持っていることを前提に、街づくりを進めとるんだわ」と言われちゃえば、こちらは「あっ、そうですか…」としか返せないですけど。
2:福知山線の脱線事故問題
鉄道ジャーナルにしては珍しいなと思ったのが、福知山線の事故に関連する記事でした。この問題については今月、久保田博・種村直樹の両者が取り上げていますけど、その両者ともが川島令三さんの著書(リンクで少し読めます)のことを引き合いに出した原稿となっていることでした(*1)。特に久保田さんの方は、川島さんの著書に反論する形での掲載です。
いままでだったら鉄道ジャーナルは、あまり他の著作を引き合いに論評するということが、なかった気がするんですけどね。
ぼくは鉄道好きですが車体構造のことは興味が薄い(よって、わかんない)ので、今回の両者の意見に限れば種村さん寄りですが、この川島さんの著書は「すごいタイミングでの発売だなぁ(*2)」と思いながら買ったことを思い出しました。
いまの鉄道界の現状ではボルスタレス台車じゃない旅客車は考えられない(*3)ので、川島さんの言うごとくボルスタレス台車に主たる原因があるとなれば、日本だけにとどまらない大衝撃になりますしね。
ただし川島さんの著書は、鉄道ファンの妄想に響くようなものが多いので、その点を割り引いて考える必要があるかもしれません。
(*1):久保田さんの原稿は名指しをしていませんが、読む限りは川島さんのことを指していると思ったので、それを前提に話しをすすめました。
(*2):川島さんもあとがきの中で、当初は断わるつもりだった旨のことを書いています。
(*3):久保田さんの原稿によると「世界動向のほとんどがボルスタレス台車」になっているとのことです。
(2005.10.27追記)
kyu3さんのブログからトラックバックがあったので、こちらからもトラックバックを打ちました。
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コメント
こんにちは。こちらの記事に、トラックバックさせてもらいました。
「鉄道ジャーナル」の「桃花台線」の記事、読んでみたいなぁー、と思います。今度本屋に行ったら、探してみます。
投稿: kyu3 | 2005年10月26日 (水) 14時47分
<kyu3さん>
小さい本屋だと置いてないと思うのですが、全国チェーンの書店なら、常備されていると思います。
kyu3さんはよく調べられているみたいなんで、買う前に立ち読みした方がいいと思いますよ。
資料はすでに公表されているものばかりだと思いますんで。
投稿: ちゃいにーず | 2005年10月27日 (木) 20時05分
まだ鉄道ジャーナル12月号は見ていませんが、桃花台線の記事がどのような内容か、読んでみたいです。
投稿: たべちゃん | 2005年10月30日 (日) 22時36分
まずは立ち読みで(^^;)。
佐藤先生が最後に書いている「利用者に余剰を生み出したことに対する評価」は、積極的に宣伝されてもいいことだと思います。
実際の経営状態は別として、独立採算を強制されている現状では、どうしても日陰的な評価というかムリヤリこじつけているように思われかねないのが、残念なところです。
投稿: ちゃいにーず | 2005年10月31日 (月) 21時48分
ちゃいにーずさん、こんにちは。「鉄道ジャーナル」、読んできました。
字が小さいので、もう少し大きな字にしてもらいたいなぁ・・・、とそれが最初の印象でした。
内容に関しては、たしかに、ほとんど知っている事ばかりでした。
しかしひとつだけ、初めて知った事があります。それは、現設備の更新時期が迫っているというところです。その「更新」、現システムのままだと莫大なお金が掛かるので、システムの変更を考えついたようで・・・。しかしこの程度の事を、なぜ建設前に想像つかなかったのだろう?と、疑問に思います。
あと借金の理由で、散々「桃花台ニュータウンの人口増加」が持ち出される事には、試算を行なった人たちに対して、その試算がいかに甘い試算であるか、毎回文句を言いたいです。そんな試算をするよりも、現状の人口を基にして、再建策を考えるべきだと思います。
最後になりましたが、こちらの記事に、もう一度、トラックバックさせてもらいました。
投稿: kyu3 | 2005年11月 1日 (火) 09時30分
<kyu3さん>
事実とは言え、少なすぎる利用者を前提にしちゃうと廃止という結論しかなくなってしまいます。
いかにも少なすぎる利用者をシフトさせる政治手腕が、そのうちには必要になるのかもしれません。クルマ優先の社会は、長期的には維持できないと思います。
投稿: ちゃいにーず | 2005年11月 5日 (土) 05時07分