滋賀県新駅と北陸新幹線
asahi.comのニュースを見ていたら、このような記事がありました。
駅前の土地区画整理事業も中断となり、土地を取得した市には財政負担がのしかかっている。
滋賀県に東海道新幹線の新駅設置をする予定だったのが、いきなし現れた県知事によって計画を狂わされ、後の負担は市側で一方的に背負わされかけているとのことです。
滋賀県の人たちが、ただ京都や大阪だけを見ているだけなら「駅なんかあっても使わない」となるのでしょうが、Yahoo!ニュースにはこのような記事もありました。
北陸新幹線の敦賀以西ルートについて、若狭ルートではなく「米原に接続するべきだ」という意見が相次いだ。
地元からこういう意見が出てくるのは、東海地方に住む自分にとっては、ものすごくありがたいなと思いました。記事にもありますが、東海北陸を結ぶ鉄道の結節点としての米原は、鉄道の歴史上ものすごい重要性を発揮してきました。
北陸新幹線にあっても米原での結節が実現すれば、鉄道における「東名阪の高速移動はリニア新幹線」・「きめ細かな拠点間移動や、名阪から北陸へは東海道新幹線と北陸新幹線の連携」(*)ということで、役割分担がわかりやすくなるし、採算性を求める人たちにも説得できる材料が大きくなると思います。
リニア新幹線は国費を以って建設するべきとぼくは思っていますが、JR東海が自費であってもリニア新幹線を建設したいと言ったり、北陸の人たちの中にはこのように言ってくれる人もいるところ、そこで連携できないのはもったいないことだなと感じました。滋賀って「東海・関西と北陸全域」をつなぐ、重要な位置にあるとも思うんだけどな・・・。さらには自らの移動手段を持たない、弱者のためにもなるんだけどな・・・・・・。
(*):リニア新幹線と北陸新幹線を同時に推進しないと、意味あいが少なくなってしまいます。いまの東海道新幹線には、米原で受入れる容量の余裕が無さそうだし。
(参考記事)
「幻の駅」膨らむ代償 新幹線新駅の中止から半年 滋賀
http://www.asahi.com/national/update/0427/OSK200804270009.html?ref=rss
北陸新幹線:「米原接続を」 敦賀で福滋協総会、意見相次ぐ /福井
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080425-00000160-mailo-l18
2006.07.03 「南びわ湖駅どうするの」
2006.07.31 「おカネの問題だけじゃない」
2007.02.05 「選挙結果を見届けて思うこと」
(2008.04.28追記)
ぱせりさらださんのブログにトラックバックを打たせていただきました。
(2008.04.30追記)
jre231trainさんのブログにトラックバックを打たせていただきました。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 箱根そばと小田急完乗の旅(2020.02.25)
- 名古屋市営地下鉄の1日乗車券は24時間券へ(2019.04.29)
- 名鉄ネット予約開始へ(2019.04.28)
- お得なきっぷの一部廃止(2019.02.10)
- 整備新幹線320キロ運転へ(2019.01.14)
コメント
こんばんは。
* 滋賀県に東海道新幹線の新駅設置をする予定だったのが、
せっかくのチャンスを逃してしまいましたね。自動車でのアクセスが主体になりますが、付近の人口の多さから考えると、結構面白い存在になったことでしょう。
* 地元からこういう意見が出てくるのは、東海地方に住む自分にとっては、
北陸新幹線の最大の問題点は、「敦賀以西のルートが未だに決まらない」ことですね。敦賀以東はいずれできるでしょうから、あと1兆あまりをかけるだけで、東海道新幹線のバイパスルートが出来上がります。
敦賀以西のルートには、小浜ルートと米原ルートがありますが、私としてはダイヤ設定の自由さと関ヶ原近辺の雪害、ダイヤが乱れたときの対応の容易さなどから、お金がかかっても小浜ルートがよいと考えています。
北陸新幹線を米原経由でつくった場合、JR東海が新大阪や名古屋に乗り入れることを認めないリスクが十分にあるのは、大きなマイナス材料ですね。米原で乗換えを余儀なくされたら、何のために新幹線をつくったかわかりません。
米原ルートには、東海と北陸の連携を強めるメリットがありますが、今までのJR東海の行動から考えると、そのチャンスを逃してしまいそうです。
投稿: たべちゃん | 2008年4月28日 (月) 00時13分
<たべちゃんさん>
>チャンスを逃してしまいましたね。
自分も若狭を通るルートが本命だと思っていて、名古屋から北陸はますます遠い存在になるなと感じていたところ、最近この件を知りました。
後からのことにはなりますが、もったい話しだなぁと思います。
>米原で乗換えを余儀なくされたら
これは同感です。
そのためにも北陸新幹線が完成するまでには、リニア新幹線をぜひ実用化させて、東海道新幹線のダイヤに余裕を確保してほしいですね。
リニアが完成すれば、東海道新幹線の有効活用をする(=利益ダウンをカバーする)ためにも、JR東海も乗入れに対して前向きになると思ってます。
投稿: ちゃいにーず | 2008年4月28日 (月) 23時57分
結局のぞみが止まらなければ
琵琶湖線沿線の住民は京都駅に行くことになり
利用客が草津線沿線に限定されるという
この回避のためにどういう行動を取ればいいかは
容易に想像できますが
(京都駅並の停車本数を確保すればいいだけです)
せめてJRにのぞみの全数停車さえ同意させれば
(こだま、ひかりの通過は認める)
十分に理解を得る可能性があったのに
同意を取れなかったのが失敗の原因ですね
投稿: X20a | 2008年4月29日 (火) 14時05分
こんにちは。
* リニアが完成すれば、東海道新幹線の有効活用をする(ちゃいにーずさんの話)
ただ、肝心のリニアは名古屋止まりなので(新大阪まで伸ばすとさらに3兆円ぐらいかかるようです)、何の役にも立ちません。
それなら、半分ぐらいでできる若狭ルートでの全線開通のほうがベターでしょう。JR東海が、北陸新幹線の乗り入れに柔軟な姿勢を見せない限りは。
* 結局のぞみが止まらなければ(X20aさんの話)
南びわ湖駅に草津線でアクセスする人はほとんどいません。地方の新幹線駅ならよくあることですが、車でのアクセスが主体です。琵琶湖線沿線の人でも、駅までは車に乗る人は結構います。それが、直接新幹線駅である南びわ湖に行くだけです。
「のぞみ」の問題ではありません。京都と南びわ湖は全くアクセスが違う。そのことを理解しないと、南びわ湖の価値は出てこないですね。
投稿: たべちゃん | 2008年4月29日 (火) 17時09分
<X20aさん>
>せめてJRにのぞみの全数停車さえ同意させれば
全列車で可能かはわかりませんが、リニアができてしまえば「静岡にはのぞみを停めない」と言っている余裕がなくなるでしょうから、滋賀県内にのぞみを停めることは充分にできる話しだと、自分も思います。
結局はタイミングになってしまうのですが、とりあえず駅だけは造って「乗る素地」を養う必要はあると思います。
相手に何かをやらせるのではなく、相手にやった方がいいと自発的に思わせる策を講じることが、結局は地元へ有利に導くことになるはずなのですけど、自由を優先するうちは難しそうですね。
投稿: ちゃいにーず | 2008年4月29日 (火) 23時03分
<たべちゃんさん>
>肝心のリニアは名古屋止まりなので
誰が最終的なことを決めるのかが(政治的にも?)不分明ですが、「東名阪リニアは国費で建設すべき」かつ「東名阪で建設しないと有効利用と言いがたい」ということと「北陸新幹線を米原で接続させること」は、自分は密接不可分だと考えているので、JR東海が東名間だけリニアを建設して、もう先はないと言うことでは、そもそもの自分なりの前提が崩れてしまいます。
#JR東海の「東名間自力負担」という言い分は、国費負担がままならないまま中途半端に技術力が放置されていることの、ある意味いらだちの表現だと思っています。
>北陸新幹線の乗り入れに柔軟な姿勢を見せない限りは。
(あくまでリニアが東名阪完成の前提ですが)東海道新幹線の採算性がいまより悪くなることは予想できるので、その有効策として、どうしても西日本に提案せざるを得ない気がするのですけど、それ自体が甘い話しなのでしょうか?
投稿: ちゃいにーず | 2008年5月 3日 (土) 00時54分