復刻版「ヨンサントオ」貨物時刻表(その3)
復刻版貨物時刻表に関する記事の続きです。
4:貨物時刻表の目的
時刻表の利用法でなく「利用方」という表記がされています。
時刻表作成の目的は、
対荷主に対しては買いよい商品の提供を考慮し、出荷誘発のための宣伝
であり、
部内に対しては販売活動を積極的に行うための業務必携
とのことです。
5:ヨンサントオへの決意
復刻版ならではでしょうけど、「国有鉄道」誌(231号)の再録があるのですが、その中でヨンサントオに対する意気込みが書かれています。
荷主の国鉄貨物輸送に対する不満の第一は、「貨車不足」という言葉で象徴的に言い表されている
多くの荷主にとって、国鉄の輸送サービス改善に対する期待をつなぎとめる時間的限度
43・10においてわれわれが実施する施策の成果は、その確かな証拠して実績で示さなければならない。
時刻表作成の目的や「国有鉄道」誌の書きぶりに、国鉄当局サイドの現状打破への大きな意気込みを感じました。高速道路網ができあがる前のことですから、荷主が国鉄に期待せずにいられない時代だったということでしょう。
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昭和40年代から50年代にかけて、マル生運動の失敗(*)や五方面作戦の遂行という(採算的見返りのない)莫大な投資で、国鉄財政は破綻に向けてまっしぐらになってしまいます。五方面作戦は必要な施策でしたが、公共企業体であることを理由にして、国鉄に借金をさせて工事実行したことは大問題だったのだろうと思ってます。きちんと補助をしなかった政府の責任は大きいです。
(*):経営者側から見れば失敗ですが、ぼくも働くひとりなので必ずしも「失敗」と言っていいのかは、疑問にも感じています。
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