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2014年3月29日 (土)

2014年スルッとKANSAIの旅(6-4神戸電鉄篇その1)

2014年3月21日から23日まで、関西へ旅行をしてきました。

6-1:御所篇
6-2:千林篇
6-3:和泉中央篇
6-4:神戸電鉄篇その1(この記事)
6-5:神戸電鉄篇その2
6-6:移動行程篇

の、6回にわけて記事にする予定です。

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関西旅行の3日めは、姫路の宿を出て粟生からスタートしました(途中のことは6-6で記事予定)。
神戸電鉄のうち、粟生線については以前から、乗客減少による危機問題がくすぶっています。三田へ向かう路線には何度か乗っているのですが、粟生線を利用するのは今回が初めてでした。

1:粟生駅

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JR加古川線・神戸電鉄粟生線・北条鉄道が集まる粟生。ぼくが到着してすぐ、加古川行きの交換電車がやってきました。さらに粟生線・北条鉄道の車両も待機して出発待ちをしている状態でした。すべて単線の路線が集結しているにしては、よくできたダイヤ編成だなと感心したのですが・・・。

粟生駅で一旦下車しました。
日曜日の8時40分ころ。駅前には人がほとんどいない状態で、駅員さんが掃除するために道具をバタバタしているのが、イチバン大きく聞こえてくる音でした。こんなもんなのかなぁ?

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自動になっている中間改札を通って、いよいよ粟生線に乗車してみます。神戸電鉄の2扉車に乗るのは初めて・・・だったか記憶があいまい。
改札からイチバン遠い先頭車に乗ったからでしょうか、この車両は乗客2名で粟生を出発しました。


2:小野駅

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粟生から乗車し、最初は小野で下車しました。
電車を見送って。

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粟生線の現状をできるだけ見てみたいと思い、最初の下車駅に選んだのがここでした。

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駅前を少し歩いて戻ってきました。
やっぱし人が少ないです。粟生よしかは多いけど、駅前を10分ちょっと歩いてすれ違った人は片手で数えれるくらいでした。

休日の朝早い時間だからでしょうね。

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かつては売店があったと思われるスペース(テナント募集の張り紙がありました)ですが、自販機と空き缶入れが半分ふさいでいる感じで、当分はテナント需要がないよと言っている雰囲気でした。
「乗らないと残りません」という強烈な宣伝文句の、粟生線活性化協議会による告知ポスター。粟生から小野まで乗車していたのは、多くて20人いたかどうかというくらいで、ここまでの範囲では確かに心配になります。

定期利用で最大59940円キャッシュバックがあるようですが、この問題は会社が査定するんじゃないかってことです。鉄道会社が減額する場合は当然になるでしょうし、こういう別団体が補助をする場合でも、通勤手当は実費しか支給しない(減額後の分しか支給しない)・・・ってなりそうです。さすれば、サラリーマンからしたら、メンドイ思いはしたくないとなってしまい、移行が難しそうに感じます。

「現に働く人間が社会の主人公である」
「マイカー利用者よしか、公共交通利用者がより優先されるべき」

という、せめてその程度は実現されてほしいと、この日本でありがたく生きとれる自分は思うんだけどね。
どうにかならんもんだか。
鉄道を利用する人の思いと、鉄道会社の思いと、そして自治体の思いがどうか一致しますように。


3:三木駅

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つづいて下車したのは三木駅でした。
電車を見送って。

鈴蘭台までの粟生線は、小野市・三木市・西区・北区(区部はいずれも神戸市)を経由しますが、経由自治体のうちひと駅は降りてみようと思いたっての下車二駅め。

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上の画像では人がいないように見えますが、ホームに数人いたりもしましたし、歩いている人も見かけたりしました。日曜日ですが、人が動く時間帯になってきたというところでしょうか。

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踏切を渡って県道に出てみたら、神姫バスの福有橋停留所があり、ちょうど三宮行きのバスがやってきました。今回の旅行は片道移動のため、競合相手を試すことができず中途半端なのですが、これが粟生線のライバルになっているバス路線です。

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バスの時刻表を見てみると、三宮行きは午前中で時間当たり2本以上あるようです。
また、明石行きのバスも30分ごとに出ていて、かなり沿線客を吸い取られているのだろうことを感じました。

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三木でも駅近辺を歩いてみました。

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美嚢川を渡ってみました。

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こんな感じで歩いて三木駅に戻ってみると、ホームでは十数人の乗客が先に電車を待っていました。

三木から乗った電車内で、粟生線存廃問題の難しさを実感しました。
三木からは徐々に山を下る感じの車窓が続くようになるのですが、各駅でちょこちょこ乗客を集めて、緑が丘くらいで客席がすべて埋まり、押部谷からは立客が出るようになりました。

ひとつの路線における、乗客数のアンバランスがきついんだろうなという印象を受けました。

沿線からちょっと離れてそうな山の上には住宅や団地が見えるのですが、その辺りから粟生線の駅まで出る方法が整ってないと、「わざわざ電車で行く気にはならん」となってしまいそうです。

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三木駅前から三宮へ行くバスのことを先に書きましたが、対抗する粟生線の三木発新開地方面時刻表がこちら。
かつては日中でも時間当たり2本はあったと思うのですが、現在の日中は三木からでも1時間に1本しか出ておらず、日中の利便性は(コスト削減のためとは言え)バスと同等まで低下しています。電車は新開地行き、バスは三宮行き。どっちにより需要があるかとなると、電車の立場はかなり厳しそうなのですが、さりとて粟生線にどんな打開策があるのか・・・。なかなか思い浮かびません。

根本的には、そもそもの乗客数を増やさないと話しにはならん。という意味では、自分の考えと鉄道会社の考えは合うようで。
ぼくが途中立ち寄った小野・三木の各駅切符売場には、ともに企画切符用の券売機もあって、どうにか需要を取り込もうとする意欲は見えたのですが。

同じ公共交通を利用する立場としては、電車とバスで利用者を奪いあうのは、もともとおかしいと思うんです。
現状の日本にあっては、通勤と自己利用で自由を享受するマイカー保有者の過多存在をいくぶん是正して(*)、自己利用度をイチバンできる利益者から公共利用者への配分がされれば、すべてではないにしろ道筋がありそうな気はするんですけどね。


(*):大切なのは「通勤に使うことを自ら控えてほしい」のであって、「所有自体と仕事以外での利用は、できるだけ許容する」ことだと思ってます。日本は自由を重んじる国だから、自由をより享受できている人が、どれだけ自分よしか享受できない他人を思うかが重要なんです。思えない人間が多数になったら、おそらくよそに攻め込まれるんだろうね。


  (神戸電鉄篇その2に続きます)

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